<はじめに: この回答はご相談のあった2002年8月に すでにご相談者あて回答したものですが、 当相談コーナーのシステム改善の都合上、 再度編集して掲示しております、ご了承ください。 尚、金額的な内容は時間変動しますので、新規にご相談下さいます様お願い致します。>
> A、現在はアスファルトで埋められているものの、更地化した際、根がかなり侵食していることが予想され、この場合、基礎等の工事に影響はないものでしょうか?
「根が計画建物の基礎部分に影響を与えるか?」という検討は必要です。 根の広がり方は樹種によって異なりますが基本的には 「地上での枝葉の張り方と同じくらいの根が地下にあると考えるべき」 でして 当然現在の樹木も根の範囲は こちらの敷地まで入り込んでいると思われます。
> B、もし当面の問題はないとして、将来的に根がさらに発達した場合、基礎に、つまり家の安全自体に影響を与えるものでしょうか?(桜の持ち主の家は現状普通に建っているように見えます)
将来的にこの根が建物下に入り込み基礎を壊すことは考えられます。 樹木の根の成長力はすさまじく経年の内容にもよりますが 基礎は簡単に破壊されてしまいます。 単純に「壊れる」というよりは「持ち上げられる」という表現でしょうか?
> C、基礎工事の為に地中で根を切った上にこちら側に根が伸びないようコンクリ等で止 めるなどの処置をするのが適切でしょうか?その場合、その費用は誰が負担すべきものでしょうか?
地中界壁の費用負担は隣家の負担としたいところでしょうが 話し合いとなります。
民法上は明らかに「越境」という主張は正論として成り立ちますが あなたの主張は隣人との「話し合い」を意味します。 費用負担の割合はこの「話し合い」によって決まります。
> C、その際、もし桜が枯れるなどの変化が表れた場合、その責任はどうなるのでしょうか?
コンクリートは「アルカリ性」の成分でして 樹木の根の周囲にこうしたコンクリートのアルカリ成分が解けていきますと 根はこのアルカリ成分を吸い上げることとなり、 結果、樹木は枯れることがあります。
根をいじって(切って)その周囲にコンクリートで地中界壁を作ると この桜は枯れて可能性が大です。 仮に枯れたとすれば「この界壁の築造」が原因ということは明白であり 隣家の承諾がない限りは築造者の責任負担となりましょう。
> D、結果的に、購入を検討して問題ないでしょうか?(その他の条件は気に入ってます)
購入を検討する以前にこうした傾向と対策が必要でして この樹木に対する処遇については 売買契約の附帯条件に盛り込まれなければなりません。
「白紙条件」といって「隣家との協議によってこの樹木の処遇に対して 当事者双方が納得する結論が出ない場合は契約を白紙撤回する」 というものを契約条文に付加しましょう。
白紙撤回の場合は手付金も戻るようにしておくことがよろしいと思います。 こうすれば「仮契約」は可能でしょう。
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