<はじめに: この回答はご相談のあった2007年4月に すでにご相談者あて回答したものですが、 当相談コーナーのシステム改善の都合上、 再度編集して掲示しております、ご了承ください。 尚、金額的な内容は時間変動しますので、新規にご相談下さいます様お願い致します。>
近隣にポツンと一軒だけの時代はそれなりに寂しさこそあれ 気ままで、快適で、自分たちの生活スタイルを確立するには 絶好のチャンスでしたのに、いざ、お隣が建ち始めると、 少しずつ「社会」を認識させられるところとなり、かつ、 そうした雑念によってなんとなく煩わしさが増えるところが 辛いところですね。
さて、以前より当方の「住まいの無料相談室」をご覧頂き、 参考にしてくださいましてまことにありがとうございます。
当方の相談室でも過去にご相談・回答させていただいております 「傾斜地における自然排水の承水義務」(雨水の処理)= 民法214条についてですが基本的な考え方は以下のように なろうかと思います。
「自然に降る雨は雨水となって高いところから低いところへ 流れてしまう。」という摂理について、これを制御する必要があるか。 また、制御する必要があるとすればこれを誰が行うべきか。 というご相談になると思います。
私は法律の専門家ではないので、民法214条については 弁護士などの法律の専門家にお尋ねいただきたく思います。 が、こんな例は参考になりますでしょうか?
たとえば、雨はあなたの土地にも、お隣の土地にも、公共的な 道路などにも均等(公平)に降ります。 自分のところだけに多く降るとか、お隣だけに多く降るという わけではありません。 このとき、たとえば、隣人の土地が道路と同じ高さか道路より やや低いと仮定しますと降る雨による雨水は必然的に道路(側溝 がない場合)から直接隣人の土地に流れ込んできます。 雨水の流入は困りものですが、この対処法として、道路を低く しろと要求したり、遮水板を道路所有者に要求したりすることは 一般的ではありません。 ではどういう対処法が一般的かと申しますと、やはり、隣人は 自費で自己の土地を道路より高くしたり、自費で遮水板を取り付け たりすることとなります。 この法律では「雨水は土に浸透するが、浸透しきれない豪雨大雨時 などでのオーバーフローによる雨水の行き先とその処理」について 条文化していると思われます。つまり、地盛りするなどして高低差 を人工的に造った土地以外の土地(従前からの自然な勾配を持つ土地) を前提としております。 したがいまして、本件の場合、貴建物の屋根に降った雨は隣地に 流すことなく、きちんと流末処理しなければなりませんが、 これ(建物の屋根)以外の敷地に降った雨が自然に隣地を経由して さらに低いところへ流れていく場合はこれに文句を言うことはできません。 ただし、あなたの敷地は高低差などの形状変更をしていないことが 条件です。(生活排水や汚水や貴建物の屋根に降る雨水の流末は 接続する道路側の排水施設に接続している必要があります。)
でも、そうは言っても、貴建物の屋根に降った雨を集水する集水マス などの設備が建物周囲にあると思うので自己の敷地に降った雨水の処理 くらいならDIYででも自費工事をしてみるなど、高地側ゆえの工夫は 大事かと思います。「対応済み」という点でお隣への主張にもなりますね。 工事方法としてはホームセンターなどで市販されている「U字溝」など を適量購入していただき、これを集水マスに接続して道路側へ 導いてあげるというものです。 要は雨水の排水路を簡易的にでも自作してみるのはいかがでしょうか? 費用面でも1万円もしないと思いますのでご検討されてはいかがでしょう。
いずれにしましても、隣家の雨水もさらにお隣の土地や道路などの 低い場所へ流れていくという現象は、「造成」をするなどして これを制御する場合を除いて、誰にも変えられない「自然的摂理」 なのだと思われますので、こちらの負担を強いないよう隣家の理解が 待たれるところです。
|