<はじめに: この回答はご相談のあった2007年6月に すでにご相談者あて回答したものですが、 当相談コーナーのシステム改善の都合上、 再度編集して掲示しております、ご了承ください。 尚、金額的な内容は時間変動しますので、新規にご相談下さいます様お願い致します。>
基本的には境界を明示する杭などが敷地の要所に埋め込まれていて、 これを基準として境界線が引かれご相談者は塀を築造されたと思います。 その経緯に戻って確認しますと、その工事は何らかの記録に基づいて 築造されたと思われますのでこの記録の信憑性をまず確認してください。 これがきちんとした測量図であればこの図面を作成した測量士さんに 現地をご確認いただくことができれば決定的な安心を得られます。
大事なことはご相談者の敷地の境界が明白かどうかです。
一般的に敷地の境界を決めている記録は地籍測量図などに残し「登記」 保管されます。これは貴敷地の管轄の法務局(登記所)にあります。 これは公的効力のあるきちんとした記録ですので隣家にその越境を 主張できます。これが無ければ主張が乏しくなります。
本題に戻れば、本件はこの敷地境界線が明白であるならば あとは隣家に「越境構築物がある」旨を伝えればよろしいです。
越境構築物は時としてありうるものですが、ある意味ではこうした 越境物が無神経に構築されてしまうところにご相談者は困惑がある のだと思います。
ご相談者がどうしても越境している部分が気になるのであれば 相互に確認しあう必要があります。
これは簡単な日常会話的な確認行為で十分です。 相手も言い出せずにそのままにしていることも往々にしてあります。
方便としては、「あの越境は承知してますか?」などと お尋ねすることが最短でしょう。
おそらく「はい、承知しています」と回答されるのではないでしょうか。
そうなれば後は楽なもので「将来までこの越境については引き継ぐべき ことと思われるので文章に記録しておきたいのですがいかがですか?」と 軽く打診すればよろしいと思います。
裁判などで争いを起こすほどのものではないので 柔らかめの会話が今後のお隣づきあいに好い結果となるでしょう。
もっとも、本件では将来的に隣地所有者が越境している事実を曖昧にする 可能性はないとは言い切れませんので一応記録文書の概略を記します。
隣地所有者との「境界などに関する覚書」の概要です。
内容は 「当方敷地内に貴殿が構築した塀の一部が突出しており、 越境しているのでこの事実を相互が確認したので この越境について覚書を取り交わし、これを相互に持ち合う。 貴殿は将来において同様の構築物を当該境界に接して構築する場合は 境界内で構築することを約す。 また、将来において当方もしくは貴殿が当該敷地を売買する場合は この越境の事実を買主にも継承して、都度相互に承諾確認するものとする」 というような覚書でよろしいのではないでしょうか。
また、塀の穴の件につきましては同様に前記「覚書」に 追記的に盛り込んではいかがでしょうか。 「相互の構築物について当方もしくは貴殿が事故を生じせしめた場合は これを自費で修復しその善処について相手の承諾を受ける」と いうような文書をお作りになればよろしいかと思います。 実際に壊れている部分はこのときに指摘します。
いずれにしましても、こうなる前に何事も「話し合い」が必要です。
冒頭でも書きましたが「測量図面」があれば 測量士さんに確認されるのが一番です。 多少お金がかかってもよいというのであれば、 この測量士さんにメッセンジャーを依頼する手はあります。
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