消費生活者支援=日本全国・住まいの無料相談室

Q. 日照権・通風権・眺望権・プライバシーの侵害

2003/09/02#2YY様 ( 神奈川県横浜市 )

工事中
隣近所・日照
建売住宅
その他

自宅の東側の土地に3階建て住宅が3軒建つことになり、すでに2軒は完成し、最後の1軒が建設中です。3軒中の2軒によって自宅の日当たり、風通し、眺望、プライバシー全てが著しく悪くなります。

元々1軒分の土地に3軒建てるので、自宅の壁からその住宅の壁まで1mそこそこで、ひな壇式で自宅の方が1mほど高い位置に建ってはいるものの、こちらは2階建てで、1階(リビングダイニング)は昼間も暗くて、風通しはなく、向かいに窓があってプライバシーがありません。2階の部屋も窓上半分の日差しは入るものの、風通しと眺望はまるでなく、やはり向かいに窓があります。

自宅を購入する時、日当たりと風通しがよく、窓から景色が見渡せるというのが売り文句でした。西側は自宅購入時から住宅が建っていて、それほど離れてはいないものの、東側ほど接近してなく、承知の上で購入しました。

南側は昼からの日当たりは良いですが、東側3軒中の1軒が側面だけでなく前面ぎりぎりまで建っており、午前中の日当たり、風通し、眺望はありません。また窓もあって、プライバシーも侵害されています。

3軒の売主の不動産会社は、建築基準法にそって建てていると主張しています。このような状態でもし訴訟を起こした場合、勝てる見込みはあるのでしょうか。またどのような点に注意して行動したらよいでしょうか。
<はじめに: この回答はご相談のあった2003年9月に
       すでにご相談者あて回答したものですが、
       当相談コーナーのシステム改善の都合上、
       再度編集して掲示しております、ご了承ください。
 尚、金額的な内容は時間変動しますので、新規にご相談下さいます様お願い致します。>



そちらの地区の建築の指導を行なっている横浜市の
建築指導部署をお尋ねください。

一般的には3階建てが建築できる地域はその地域全体に3階建てが可能です。

貴邸が現在2階建てであっても3階建ては将来においても可能ですから
将来3階建てにすることも可能であり、
3階建てになれば貴邸の北側のお宅が2階建てなら
今回と同じことをあなた方に注文してきます。

日照や通風や眺望やプライバシーを望むのであれば
初期の時点でそれなりの土地(3階建てが建たない地域)を
選定なさったのでしょうか?
日照や通風や眺望やプライバシーは保てる良好な環境は
少し郊外へ行けばたくさんあります。

しかしながら、生活利便性を求めるがゆえに
ドンドン駅に近づけば地域は商業性を帯び
敷地面積は小さくなり、容積や高層の制限が緩くなります。
商業地性とは事業性がある土地で資産価値が高いところです。
したがって、隣接はギリギリですから日照や通風や眺望やプライバシー
など一切ありません。

住宅地環境でもマンションばかりが建ち並ぶところがありますが
これもこうした住居系地域の特徴ですね。
あなた方はそうした環境を選択されたのではありませんか?

つまり、住宅環境を一定の基準で満たすように都市計画法が定められております。
都市計画法は建築基準を定めるものよりもっと広義な法律とお考えください。
都市計画では万民の資産を均等に保護するように計画されておりますので
日照や通風や眺望やプライバシーは個人の主観によって不公平感が出てきます。

こうした個人的な主観によるものは法律では決めにくいので
個人的な要望はあくまでも「個対個」での「お願い」となります。

本件は隣家への「目隠し」などの「お願い」が妥当であります。
訴訟してもかまいませんが隣家が建築基準法通りに建っていれば
あなた方が反訴されます。
あなた方がいづらくなるだけだと思います。

それよりも穏やかに相互の環境を確保するように
「お願いすること」の方が得策と思われます。