
隣地、隣人との関係はわかりました。
ご相談者は誠実にかつ他人に迷惑をかけないように住んでいるのに対し、
新規に引越してこられた隣人はそのあたりのデリカシーがないという点で
やや不快感を覚えてしまったということのように拝見しました。
建築的には誰かの所有物で、その所有物には何らかの形で触れてしまう
のであれば「ひとことことわる」のが原則ですね。
これは、今回のご相談のようにご相談者所有のブロックに何も介在物を
入れず(挟まず)にコンクリートを直接的に接する要領で流し込むと、
コンクリートはそのブロックに付着してしまい、そのまま硬化するので、
将来的にこちらのブロックを解体するときに隣地のコンクリートが付着
したまま解体される場合がある。また逆に、コンクリートを解体するとき
にはご相談者所有のブロックが一緒に壊れてしまう場合があるので、その
時の処理について確認しておくというものでしょう。
一般的には、コンクリートの付着を避ける意味で、紙一枚、板一枚挟んで
こちらのコンクリートブロックには触れないようにコンクリートを流さ
なければならないというのが筋というものです。
本来的には2センチメートル程度の厚みのものを介在させて工事をする
というのが理想です。
そこで、隣人とは一度話し合いをしておく必要がありましょう。
つまり、「隣人が密着および付着して築造してしまったコンクリートに
ついては一応黙認はするが、将来的に相談者(あなた)が所有するブロック
を解体する場合は隣人所有のコンクリートに亀裂、破損が生じても相談者は
これを補修しない。
また、隣人がコンクリートを解体する場合、相談者の所有するブロックに
破損、汚損を生じた場合は即時申し出て、その対処法について協議する」
というものです。
この合意を“覚書”として書面にして相互に持ち合うことで将来的な
トラブルは回避できるのではないかと思われます。
おそらく隣人も業者任せで工事を依頼してしまった場合などではこんな
事態になるとはつゆ知らず、あとで問題化することが多々あります。
工事業者ももう少し考えればわかりそうなものですが・・・。
隣人こそ「そうだったんですか。知りませんでした」という回答が
来そうな気がします。